軽めの仕上がり (はてな編)

Curiosity is the most powerful thing you own.

MicrosoftのLinkedIn買収で考えてみたこと

 このニュースは拾わない訳にはいかないのですが、立場的にビジネス戦略に類するような事については言及すべきでは無いので、マーケティングに携わる立場としてどう咀嚼したかといったあたり、このニュースをきっかけに何を考えたかだけ少しだけ時間差つけて簡単にメモしておくことにします。

(以下、あくまでも個人の解釈ですので。)

❖意味するだろうこと

  • Work Location、BtoB, BtoC といった垣根を超えて「人」や「組織」を中心に置いたEmpowermentに寄与するだろう事。(してほしい)

という事かなぁ、と。もともと、ミッションは

Our mission is to empower every person and every organization on the planet to achieve more.

ですので、世界中のビジネスプロフェッショナル達が参加しているコミュニティに対関与していく事はこうしたミッションに対して整合していると思います。

 実際、地球上のどこを探しても 433 million (= 4.3億人) のビジネスパーソンと10Billion+ (100億人+)のビジネスソフトユーザを掛け合わせできるデジタルハブはこれ以外には存在しない訳ですから、そのポテンシャルとグローバルスタンダード感は相当なインパクトだと思います。(もちろん、活かすことが出来ればという但し書きつき)

 一定のアンチがいるブランドですので、この件については賛否両論ですが、脈絡なく2.8兆円もキャッシュで出さないですからね。2016年6月14日時点の日本企業の時価総額ランクで言えば三菱地所、ヤフー、村田製作所クラスをキャッシュで買うのに等しい対価です。(故に高値掴みという意見も出てくるのかもしれませんが。)

❖LinkedInのポートフォリオ

 さて、日本ではLinkedInはマイナーです。名刺交換→Facebook友達、という日本的な流れがFacebookの普及期に標準となった事があり、これを未だに日本のLinkedInは覆せていないというのは事実だと思います。ユーザ獲得で苦戦する中で、この名刺交換大好きな日本人の琴線をくすぐる形でサンサンやWanteldy などのドメスティックが出てきている感じです。

 お先棒を担ぐつもりは無いですが、LinkedInのサービスって以下の3つです。この3つの存在を理解すると、今回の買収のフレームが少し理解しやすくなるのでは無いかと思います。

  1. タレントソリューション
  2. B2Bターゲティング広告ネットワーク
  3. セールスソリューション

★広告サービスとビジネスサービスのキャプチャ

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 LinkedInが買収したSlideshare に関しても「活かせてない」というような評判を耳にしますが、「発信力のあるビジネスパーソンを産み育て、そこからの人的ネットワークの発展がサービスとしての価値になり、ユーザにとっての利益となるけと考えれば妥当な買収だったと個人的には思います。 

❖ビジネスコミュニケーションの性質の違い

 この点については長い事グローバル企業で働いている者としては先行研究や専門書にもう少し当たってみたい分野なのですが、そこら辺をすっ飛ばして、あえてビジネスコミュニケーションの文化的な違いが現れている気がする、と言い切っときます。

 「違い」というのは、初対面の人とビジネスコミュニケーションをする際に何を基準として関係づくりを進めるか、の違いかもしれません。

多少乱暴ですがこんなイメージ。 

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  いずれにしても、日本でポピュラーかどうかなんて事はお構いなしにグローバルで色々なサービスが進化したり退場したりしています。「日本はこういうもので」とか「日本語が無いので駄目」とか言いながら個人の趣向でグローバルのプラットフォームを避けていると、どんどん置いていかれるよな、というリスクは日々感じております。

❖関係するニュースなど

Microsoft IR

Microsoft to acquire LinkedIn | News Center

 

過去の買収履歴(WSJ)

www.wsj.com

 WSJ Tech

www.wsj.com

 

日経

www.nikkei.com

 

 

www.nikkei.com