しばらくブログを更新していなかったのは色々と理由があるのですが、それはさておき、戻り梅雨で外出もままならず、暇つぶしにGRITを再読したら、夏バテと旅行疲れを理由に怠けていた自分にムチが入りました。
という事で軽めのネタから再開してみます。
バブル世代の残り香を嗅ぎながら青春を謳歌した私は比較的物欲が強い方なので、最近の「〇〇しない若者」みたいな話に胸を痛めています。自分の物欲をマーケティング風味で晒しつつ、厭世観漂う消費マインドに一粒の刺激を与えん事を目標にして、通常の投稿とは別に毎週記録しておこうと思います。
※週刊で続くか不明ですが、愛読している前田さんの映画批評を見習ってコツコツ行ってみようかと。
※マーケティングとは「消費するつもりのない人をその気にさせる」事に情熱を注ぐべきと考えているので、それを前提にして「買いたくなった理由」を自ら問い詰めていくつもりです。気になったから全て買うよ、という金遣いの荒い話ではありませんので予めご了承ください。
今週のアレ : SONY HUIS (ハウス)
写真はオフィシャルサイトより
久しぶりにSONY製品で喉が鳴った。
家のユーザーインターフェースを進化させることで、
暮らしそのものをより良くしていく、
それが我々HUIS のビジョンです。
いいじゃないですか。
プロダクトに関しては製品のデザイン、UIの好き嫌いでものを選ぶ傾向が強い私*1にとっては魅力的な言葉です。
■惹かれるところ
- ミニマリストにアピールするようなプロダクトデザイン。(クレードルはもっとスクエアでも良かった気がします。)
- 電子ペーパーとタッチパネルなので突起がなくなり「リモコンに積もる埃」問題から解放されること。
- リモコン登録可能数が30個あるので本気になれば全部まとめられる。
- UIクリエーターを使う事で自分仕様のリモコンがデザインできる。これは楽しい機能で、使う必要のない機能を封印出来る。
- 裏側のOSがWindows とMac の両方用意されているので、それぞれのOS配下におけるクラウドサービスとの連携も期待できる。
■気になるところ
- 白いハードは実物の質感に差がある事が多い気がするので、そこは要確認。もっとも、"デジタルなのにアナログな電子ペーパーの表情を活かして全体をマットに仕上げました。" とアピールしていますので信頼しましょう。念のため、近日中に蔦屋家電で確認してきます。
- 「惹かれるところ」でWindows / Mac OS ベースなのでクラウド連携とか夢広がるぜ、みたいな事を書いてますが、一方でそれを言い出すと「スマホアプリで事足りるのになぜアプライアンス」みたいな話にもなりそうです。そこが少し気になります。例えば、
✔外出先からテレビの録画をしたり、帰宅に合わせてエアコンつけたり
✔車に持ち込んで自宅のPCや個人のクラウドにある音楽を再生する
といった事が出来ると良いのですが、機能拡張すればするほどスマホと競合するジレンマが出て来るね、という話です。ただし、この製品はそのビジョンにある通り、「家の中」を想定しているので、上記のような機能拡張やBYOx(Bring your own x ) を求めるのはお門違いなのかもしれません。*2 - 登録可能数30個の裏返しで、リモコンが複数の部屋で必要な場合に少し困る。
例えば、今のような季節、親の寝室と子供部屋の両方でエアコンを操作したいのだが、リモコンが統合されてしまうとそこに支障をきたす。 - バックライトが無い。これは特に夜間、対応機器であるブルーレイ、DVD、プロジェクタなどを使うシーンではやや不便な気がする。ついでに、Amazon Prime VideoやGoogle Play のリモコンまではカバーできてないので、そういうサービスを利用する時は二個持ちになるので、このあたりの機能改善と互換性が加わると購買意欲がグっと上がります。
- 値段。。。正直、リモコンのコンソリに3万超えの価格を出せる人はちょっと限られるような気もします。値段のハードルと価値観のハードルですね。ミニマリスト指向のシングルの人なんかは無理なく買えそうなので、Prime Prospectはそこなのかな、と想像しますが、Webでは家族で楽しんだりしているので多分、違うんでしょうね。
■総合的にどんだけ欲しいか
★★★☆☆
「気になる所」が多いことから明らかなように、奥さんに内緒でポチっとするにはちょっとまだ躊躇う部分もあり、☆は三つ。
室内に散らばる家電メーカー製のリモコンは、デザインとかUIというものを初めから放棄しているのかと思うほど手抜きだと感じているので、こうした製品が一石を投じる事は消費者として嬉しいし、機能とデザインを高い次元で融合させようという姿勢は私がSONYに抱いている期待のど真ん中なのでワクワクはしています。
しかし、小市民の私は仮に購入しても各社標準のリモコンを捨てられず、結果的にリモコンが一台増えましたという(;´д`)トホホな展開もうっすら予想されるので、そういう意味ではスマホベースで提供されていたら即買いだったなぁと。その場合は「家族・家庭で共有出来る統合されたリモコン」という部分が犠牲になる。
あくまでリモコン機能のアプライアンスとして投入してきたのは以下のような思惑かな、と邪推する次第。
- 表向き
・ビジョンで謳っている価値観の実現。
・自社家電のハブとして位置づけつつ、国産家電が落ち込む市場で国内市場の次の買い替えで中国系ブランドを選びたくない人を取り込みたい。 - 背後の皮算用
・iRobot社が仕掛けたデータ活用話*3も視野に置いている。
・アプリにするとGoogleとApple というゲートウェイが介在するのでそれは避けたいのでアプライアンスという選択。
最後に蛇足ですが、製品名 (ハウス)については、英語ママの"House"だと「ソニーがシチューを販売開始」みたいなネタになりかねないので、造語にしたのだと思いますが、グローバルに読めるマーケティングネームにした方が良かった気はします。
こちらに気になる方はこちらから。
*1:実際、掃除機は長年、ダイソンのキャニスター型とアップライト型の2台持ちでしたが、2年前くらいに主な使用者だった妻から「重たい」と苦言を頂戴して、国産の安いやつに買い替えました。その後、色々あって今は私が掃除機使う事の方が多い生活パターンとなりまして、やや悔しい思いをしております。
*2:なら汎用OSを使わなくてもいいのでは? いやコスト的にその方が安上りだし安定するか? とループしています。
*3:ロイター社の報道をご参考。日本語記事はEngadgetがロイターの記事を引いてますのでこちら。ちなみにその後、データの「販売」というのは誤った解釈であるという事で記事は訂正されています。が、パーミッションとるだけなので、技術的にはいつでも可能。