先ほどアメリカ大統領選に絡めて駄文をアップしたばかりなのですが、
何せ4年に一度の祭り選挙ですので、少し違う視点で気になったこともここに控えておこうかと。
❖Google と日経
まずはGoogleが投票結果をタイムリーに分かりやすく伝えるべく検索とYouTubeを活用して有権者を支援するという意志表示をしています。既存のメディアが行う速報合戦そのものに参画するというよりは、それらを整理して全体像を提供しつつ、身近な投票所を説明するなど投票行動そのものに対する支援という文脈のようです。
もちろん、Googleさんの事ですから、投票者のデジタルボディランゲージに基づいてAIブン回しつつ、かつてネイト・シルバーが作り上げたような世界を更に高めていくのかな、とは思います。
これまでメディアは社会や人の動きを拾ったり集めたして発信するアンプの役割りでしたが、ことGoogleに関して言えば、サービスを利用している人達が残していった足跡とも呼べるデジタルボディランゲージが大量にありますので、それを整理すればニュースはいくらでも提供できると思います。そういった観点で彼らの動きをみると、既存メディアにとってはGoogleが自ら「集めて伝える」という行動に出る事はちょっと怖い感じがする事かもしれません。
また既存メディアには程度の差こそあれ支持政党の色がついているものですが、どこまでニュートラルに脚色無添加に伝えていくのかも後々、レビューしたら面白そうです。
さて、日本時間の11/9 9:00 からの投票スタートという事で、日経も気合の入ったサイトで待ち構えています。サイトのデザインは悪くないのですが、現時点では情報量が少なさそうなのが気になります。折角なので、投票経過と共に変化していく株価など経済的な情報を付加していってもらえると楽しい気がします。
❖今回はどんな配色になるのか? 地図も確認しておこう
さて、本題はこちらでして。
共和党と民主党という二大政党で争われる大統領選挙。アメリカ各州がどちらに傾いているかというのを並べてみました。
ソースはこちらになります。
United States presidential election maps - Wikimedia Commons
リンク先を見て頂くと、1789年まで遡れてとてもとても楽しい感じですが、上の6つは直近20年を並べてみたものになります。青がDemocratic (民主) で赤がRepublican (共和) です。かたくなに赤い州、青い州、時代とともに変わる州、というのがあってとても趣があります。
近年、もっともアメリカ全土が赤く染まったのは、レーガン政権 (1984) の時。
この時は唯一ミネソタだけが青でした。スゲー。1972年のニクソン政権の時にも同じようにマサシューセッツ以外は真っ赤という状況でした。一方で、緑一色ならぬ青一色になった事はあるかというと、無かったです。限りなく青一色なのが1936年のルールズベルト政権まで遡ります。この時はバーモントとメーン以外は青でした。
つまりアメリカ全体の各州を塗り絵的に見てしまうと、1970年以降はほぼ共和党支持となる州が多く、全体的には赤が優勢という事になるのですが、日本で言う所の一票の格差では無いですが、支持率では無くて選挙人の配分で決するのが特徴だけに、都市部と地方の関係とか、人種や宗教感といったアメリカを構成する多様な価値観が垣間見えてくる面白さがあります。次にカリフォルニアが赤くなるとき、アメリカは大変化するような気がしています。
このあたりは、少し古い本ですが浅井信雄さんの「アメリカ50州を読む地図」(新潮文庫)なんかを読んで、アメリカの多様性にますます惹かれた私としては興味の尽きないところです。このあたり読んでから町山さんのアメリカ現代事情に関する著作を読むと、硬軟織り交ざって楽しめると思います。
例を見ないエキセントリックなトランプと政治家としてはキラキラのキャリア&夫婦かつ女性で初という歴史的な偉業に挑むヒラリーという見逃せない対決、の割りには勝馬と目されるヒラリーの評判も決して芳しいものでは無いだけに、 今回の選挙ではどんな塗り絵が出来上がるのかとても楽しみです。そういう意味では赤青混在なんでしょうけど、アメリカの中で何かが変わった回となるような気はします。