最近話題のマストドンですよ。新しいものは触ってみるのがモットーなので、いくつかのインスタンスに入ってみました。
まだ経験値3日なので手探りの真っ最中ですが、「忙しいのにまた新しいSNSを覚えないといけないのか。。。」と心の中でため息交じりの諸兄の背中をコツンと押せれば幸いでございます。
1.マストドンって何よ?
TwitterライクなSNSだけど500文字までOKで、みたいな機能説明とアカウントの作り方はググっていただければそこら中に出てますので割愛します。
Twitterと比較して機能を理解するのは確かに間違いではないでしょうけれど、根本的な違いは中央集権型ではなくて分散型のSNSであるという事。
この本質的な違いに基づけば既存のSNSはほぼ全てが中央集権型です。そこがマストドンの目新しいところになります。
テクノロジーの進化と普及により、社会全体が階層化からネットワーク化、中央集権から分散化へと変質していると言われてます。このあたりの論考に興味のある人は「〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則」を読んでからマストドンをやると一味違う感慨が味わえるかも。いずれにしても、そういった時代背景と日本人向きと言われるTwitterライクな部分と、きっと上手なPRが絡め手となって連休まえから盛り上がっているのだろうと。
◆マストドン歴3日の私が図解するとこんな感じ
2.短い経験で学んでいることなど
上の図の簡単な説明と併せて今のところ学んでいる事などをメモしておきます。
・インスタンス
パソコン通信で言う会議室、MMORPGで言う「××鯖」みたいなもんです。私自身は「入室」とか「参加」といった日本語がしっくりくる感じです。各インスタンスには管理者がいて、それぞれの部屋のポリシーを決めています。
・フォロー / リモートフォロー
フォローはTwitterと同じです。あるインスタンスに入って、その中で「これは」と思うアカウントをフォローするのですが、参加してないインスタンスにいる誰かをフォローしたい場合は、リモートフォローという仕組みで対応できます。
・ローカルタイムライン
発信する事を「トゥート! (Toot)」と言いますが、各々のインスタンス内でトゥート! されているものが流れている。中央集権型のSNSの場合、時系列またはアルゴリズムに基づいてまとまって流れてきます。一方でマストドンの場合はインスタンス同士がそのインスタンス内のものだけを時系列で流しています。ここも分散型と言われるマストドンのユニークなところです。
・連合タイムライン
複数のインスタンスに参加している場合、それぞれのローカルタイムラインを個別に観にいく必要がある訳ですが、本質的には個々のインスタンスに独自のポリシーやコンテクストがあって合意形成されている訳ですから、それを手間と感じてしまうのはもしかすると間違いなのかもしれません。ただ、リモートフォローしている人のトゥート!はこの連合タイムラインに流れてきます。
ここで理解が必要なのは二つのユーザの概念です。
図で言うと以下の二種類が含まれるのが連合タイムラインです。
・「ローカルインスタンスAに参加しているローカルユーザ」に加えて
・「ローカルインスタンスAの誰かがリモートフォローしているユーザ」も含む
ただし、この連合タイムラインが曲者というかなんというか。日本で最大のユーザ数がいる@mstdn.jp のキャプチャは正直、便所の落書き状態です。それがインスタンスの文化ならば文句言う筋合いでも無いので、仕方ないのですが。。。滝のように流れていく連合タイムラインはパチスロの達人か心眼の持ち主以外にはあまり有益な感じがしません。
一方で、比較的同質化した参加者で構成されているインスタンスで連合タイムラインを眺めていると何となくある一定の範囲に収まっており、それなりに見ごたえがあります。初期のTwitterのように、匿名上等で垂れ流す人や、意味なくフォロワー増やしたいような人がいる一方で、特定のインスタンスでじっくり&まったりとやっていきたい、という人もいます。狼と羊じゃないですが、自分がどちらの立ち位置でこのサービスを利用するのかを考えてからインスタンス選びする事をおすすめします。
3.留意事項やTipsなど
・アカウント作成のコツ
アカウント作成の説明を割愛してますが 、作成にあたって注意した方が良い点として、マストドンは個人でインスタンスを立てる事が出来るサービスの性質上、セキュリティに対する考え方は千差万別です。中には悪意をもってID/Passを抜くような事を考える輩がいないとも限りませんので、他のWebサービスとは分ける事をおすすめします。 私はGmail の"+" でインスタンスごとに分け管理しています。
・公式アカウント?
アカウント名の横にある緑に白の✔マークがついていると、何やら公式アカウントみたいな印象がありますが、マストドンでは今のところはその手の概念は無いと思います。これは個人設定の画面で、アカウント名に続けて " :white_check_mark: "とつければ誰でもこうなりますし。UIが黒を基調としているので、この色味は(今のところ)目立つので使っています。ちなみに "red_check_mark:" とやっても何も起きませんでした。。。
・どのインスタンスから始めるのがいいか?
このあたりのまとめが良い仕事してくれていますので、ザーッと眺めてみて気軽に覗くのが良いと思います。
Mastodon(マストドン)のインスタンス一覧 – coron.tech
・ブラウザとアプリ
ブラウザで見る場合は4カラムなので、500文字のテキストをトゥート!するとそれなりの長さを占有します。これで322文字です。
このあたりが気になる人はChromeの拡張でMastodon可変カラムというのがあるので、それを入れて幅を調整するなどされてはどうかと。ただし、対応するインスタンスが限られているようですので、万能では無いのが残念。
アプリに関してはいくつか存在するようですが、私はGONを使っています。各インスタンスの移動もらくちんなので重宝しています。アイコンもかわいいしw。
4.これまでとこの先の展望
なにやらmixiの取締役が壮大なフルスイングでマストドンにダメ出しするという珍事が起きていましたが、個々のインスタンスはそれぞれの管理者とユーザによって成立していくという分散型、連邦型のサービスなので一定のユーザを獲得していくのではないかと思います。というか期待したい。そんな期待値を持っている現状で感じた事を最後に列記しておきます。
- 異なる2つの話題を連投したくなった時はインタスタンスを右往左往しそう。
- Twitterの投稿にしかるべく#とかつけると指定したインスタンスに展開されるような仕組みがあると良い、かも。
- ただしそういう統合をやり過ぎると色々なSNSアカウントを連結させすぎて、同じ話をテキストも画像も何も変化させずに同報しているダサい人になりそう。
- 完全に自分の趣味にはまるインスタンスが無ければ作ればよい、というのは新しいけど、Facebookのグループのように簡単では無いので人を選ぶかも。サーバ費用が自腹なので、いきなり止まるインスタンスなんかもあります。そのうち、インスタンス同士の合併とかもあるかもしれない。
- 始めて間もない私ですが、すでに自分でひとつくらいインスタンス建てても良いかな、と思い始めている。例えるなら家庭菜園みたいな感じで、たまに友達が来て水撒いたり、害虫駆除したり。早速さくらインターネットでレンタルサーバしてみた。ノンテクな私に出来るかどうかは続報をご期待ください。