今回は生活感のある投稿です。
「月に一冊も本を読まない」という人が47.5%*1もいる我が日本ですが、私自身は「趣味は読書」と胸を張って言ってます。
とは言うものの、若いころにマージャン卓囲む暇があったらもっと本を読んでおけば良かった、という後悔を常に抱きながら寸暇を見つけてはページを繰る毎日です。ちなみに私の読書観については、縁があってコラムを書かせて頂いているPARAFTさんで書いてみましたのでよろしかったらどうぞ。
※読書に関するコラムは2/13の週で公開予定。👇されました
❖やはり書斎は重要
読書家にとって「書斎」という言葉が持つ魅力は底なしだと思います。カメラ愛好家にとってのレンズ沼と同様に、自分の書斎で優雅に本を読む姿を思い描かない読書子は多分いないと思います。
かくいう私は以前住んでいたマンションのサイズに合わせてカスタム本棚を制作したのですが、その後、転居したにもかかわらず無理矢理使っている貧乏くささ。
いい加減に限界を感じたので、一念発起して書斎リフォームを決意したところ。
<片づける前と後> めちゃくちゃ汚くて恥ずかしいのですが。。。多分50-70冊くらいは捨てたかと。
❖5畳の部屋に夢の空間を作る為に考慮した事
理解ある家族のおかげで5畳の部屋を私用にあてがってもらっているのですが、せっかくのリフォームですので目的を明確にしておきたいところです。そこで、整理してみました。
- ゾーニングを決める
元々この部屋は自分の部屋として、本、趣味の品々(サーフィン、ゴルフ用具)、CD/DVD、洋服がありました。これらの物品は今後も存在する事に変わりないので、ゾーニングだけは明確にする事で整頓する。 - 軽めの断捨離
限られた空間で将来の物量増加に備える為、Reserved for Expansion が大切です。私の場合は読まない本の処分はもちろん、電子書籍を買い直して物理的に無くすといった対策を取りました。 - 書斎の作り方を決める
- とりあえず作る場合
予算を優先する場合はこのパターンです。既製品の組み合わせ。組立家具はIKEAを筆頭に色々とオプションがあるので、この中から価格と趣味が折り合って、まあまあ満足の行く空間が仕上げられるならそれも良いと思います。部材が安い分だけ経年劣化が心配ですが、定期的に空間をリニューアルする楽しみと割り切れば悪い話ではありません。私は手持ちの書籍を納めるにはIKEAの出来合いではどうにもならないことが分かったので選びませんでしたが、モダンな空間が好みの方の場合、店舗に行けばアイデアの宝庫ですので検討する価値があります。話が少しそれますが、この手の既製品で手軽にオシャレに仕上げたい人は多分、家も賃貸派なんだろうな、と勝手に推測してます。
- 長く使う事を想定する場合
街のインテリアショップやリフォーム専門店等で図面から引いてもらうのが基本で、あとはこだわりと許容可能な予算内でセミオーダーかフルオーダーか、などを詰めていけば良いかと。セミオーダーの場合はコンポーネントが自社製の場合はモジュール的に組み合わせていくだけ。セレクトショップであれば、ベースとなっている製品をカスタマイズしてもらって、なるべく部屋の空間を有効に使えるようにレイアウトしていく感じでしょうか。
なお、セレクトショップで行く場合、都内であれば目黒通りを一往復すると結構、お腹いっぱいになります。ただ、書斎そのものを店内に作っていない店もあるので、一点ものの本棚やマルチラック、書斎に置くであろう椅子や照明類のテイストを見ながら自分のセンスに合うお店を探すのがよいかと。良いものに出会うまでにそれなりに時間はかかりますが、そういう「探している時間」もまた楽しいものです。
ちなみに私の好みは、このあたりのお店です。
karf(カーフ) コンセプト | karf(カーフ)/blackboard(ブラックボード) 目黒・中目黒・つくばインテリア/家具/ビンテージ -
❖で、自分はどうしたか?
ゾーニングと軽めの断捨離は問題無しで、後は「どこに頼むか」という所に時間かけました。最初はIKEAで何となくイメージづくり、次にリフォーム屋さんを予約して、ラフに図面を書いてもらい、素材見本なんかも借りてみました。ただ、化粧板の質感がどうしてもしっくり来ないので却下。
ちなみに私のイメージとしては、40過ぎてハマったサーフィン道具も共存する事から、重視したのは適度なカジュアル感と部屋が明るくなるようなモダンなカリフォルニアテイストです。自宅マンションのレイアウトが、いわゆる田の字型のレイアウトでは無く、リビングを中心に部屋が広がるレイアウトの為、書斎を開放した時に他の部屋と素材感やトーンで違和感が出ない事と、既に使っている家具( ダイニングはデンマークの50年前ぐらいのもの、リビングはkarfのモダン系)でそれぞれにメリハリつけた空間にしているので、書斎そのものは少しあっさり目に落とし込む、という具合の空間を目指しました。
すると、そんな細かい事を叶えてくれる既製品は多分無い、という結論になり、親しくさせてもらっている建築士の友人に発注する事になりました。その人のセンスも信頼していたので、適度に意匠をこらしていただき、オリジナル本棚を製作するという贅沢なチョイスになりました。
ただ、贅沢といっても化粧板で構成されたリフォーム専門店の見積りよりは少し安いぐらいでしたので予算という意味では問題なしでした。
❖実際の風景
さて、昨年5月に下見をしてもらってから図面の直しや材料選定などをのんびり進めて、無垢材の調達と加工、書斎のフレーム製作などの下準備を済ませて、2月第一週にいよいよ工事とあいなりました。
<工事中> 素人の出る幕では無いので、職人さんの仕事ぶりを堪能させていただきます。
・壁沿いに事前に加工したフレームを組み付けて、棚板を固定していきます。床は40mm程度固定。
・天井の煙感知器を設計段階でかわしてもらい、組み付け時にもそこが干渉しないようにフレームを加工してくれているプロの細かさに感動。
・リビングにつながる扉の上にサーフラックをセット、ウェットスーツ用のハンガーも特設して収まり良く。
・書棚の棚板は200mm程度を確保してもらい、上下は稼働できるので本の判型に併せて調節可能。
<出来上がり> 木の香りと手触りがスゲー。。。癒し空間です。
・タモとナラで迷いましたが、先に掲げたポイントも考慮して中性的なタモ無垢材にして大正解でした。
・書棚は天板の上に5段。この天板のL字部分も棚になっていて小物などを整理しやすくしています。
こんな感じで実際に本を入れてみてもなかなか壮観です。本棚を開陳するのって、自分の趣味嗜好とか脳みそを裸にしているみたいな気恥ずかしさがある反面、並んだ本を眺めていると、読んでなかったり、また読みたい本が出てきたりしてとても新鮮。
繰り返しになりますが、天板も棚板もすべてタモ無垢材を使ったので、木の香りが素晴らしい。これから経年で木も表情を変えていくと思いますが、その変化が味となって、既製品や化粧板の塊では味わう事が出来ない風合いにつながるんですね。楽しみです。私の個人的な結論としては「一生ものの家具を作るならケチらずに無垢で行きましょう」です。
・今回のお世話になったのはこちらの「市川設計事務所」さん。逗子・葉山が中心という事ですが、ご本人はフットワーク良く全国に出て行かれているのでご興味のある方はぜひ。こういう良いお仕事をしてくれる友人に恵まれた事に感謝しつつ、Worksに出てくるようなオサレな家をいつか建てたいと固く心に誓うのでした。
*1:平成25年度「国語に関する世論調査」(文化庁)より