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サンダーバードとマーケティングオートメーション ~ Marketing Automation 界隈で思う事 (その2) ~

 たまたまSNSでこのサンダーバード2号の出発シークエンスのビデオを見て、頭の中に浮かんできた事を書いておきたい。

 題して「サンダーバードマーケティングオートメーション」。

❖頭の中にあの音楽が鳴り響く

https://www.facebook.com/tbirdsarego/videos/343041312519532/

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 30-40代以上の特に男性であれば一度は見たことがあるだろうThunderbird (サンダーバード)  です。ご存じない方の為にすごく簡単に説明しておくと、

アメリカの大富豪が設立した国際救助隊の活動を描いた人形劇による特撮。1965年にイギリスで制作され、舞台は西暦2065年。海底から宇宙まで、災害や事故、犯罪によって危機に直面した人々を救うのがミッション

THUNDERBIRDS Japan等をもとにまとめると)

 という感じです。

 初放送の頃は産まれていないので、1980年にTBSで再放送したのが初体験かと思いますが、とにかく興奮したのは事実。どこに興奮したかというと、このビデオなんかはまさにど真ん中。冒頭の隊員が乗り込んで発射するまでのくだりです。音楽も有名ですが、なんか未来を感じたものです。SFと人形劇という斬新な組み合わせは今でも褪せてないのが凄い所だと思います。ただ今回はアニメと人形劇の違いを考察する回では無いので本題に戻しますと。。。

❖オートメーションとは何か

 いま改めて見直してみると、序盤の戸板みたいなのに仰向けになってベルトコンベアで運ばれるあたりを見ていると、「走って乗り込んだ方が早くない?」という事に気がつきます。こう感じるのは大人になったからなのが大前提ですが、あえて当時の制作サイドの視点を想像するに「自動的に運ぶ。物事が自動化されている。」という事に対する羨望や畏敬の念みたいなのが今よりはるかに強かったのでは無いだろうか、と思う。

 「自動化される事で人は無駄なく迅速に目的を果たせる」といった価値観が当時あって、それがこういう描写に繋がったのではないか、と。

 50年以上たった今だからこそ、引き気味に当時の背景を考える余裕がある訳ですが、今、やたらとB2B界隈で取りざたされているマーケティングオートメーションやIoTといったものにも一脈通じるところがあるな、と。

 マーケティングオートメーションについての愚考はこちらにもメモ書き程度に書いています( この時に立てた仮説は未だ検証出来ていません。)が、

takao-chitose.hatenablog.com

マーケティングオートメーションそのものは、

マーケティングの各プロセスおけるアクションを自動化するための仕組みやプラットフォームのことを指します。顧客や見込み顧客に対して、どんなアクションをとってきたかを記録し、「最適なコンテンツを、最適なタイミングで、最適な方法で届ける」ことを目的に利用されます。「メール配信」「セミナー管理」「Webアクセス履歴」「フォーム機能」「リード管理」「スコアリング」など、マーケティングのアクションが集約されたプラットフォームです。( Source : DML )  

と定義できます。

 先のポストでは、マーケティングと営業は相容れない部分が組織の構造的に内在しているという前提で、「先に人的営業がその嗅覚で取り去った残り需要(リード)をマーケティングオートメーションで調理していくのが良いのではないか」という視点を提示しています。

 踏み込んだ言い方をすると、「マーケティングオートメーション」と言っている限り、「セールス」側からすると「マーケが何かやってるね」という対岸の出来事みたいな意識は残るでしょう。人は自分の陣地が脅かされる事に警戒しますので。

 そこを埋めて行く事も含めてのマーケティングオートメーション導入なのですが、現場における営業とマーケティングの垣根はそう簡単に取り払えるとは限りません。だから「マーケティングオートメーションの導入はセールスの省力化」みたいな事をあけすけに語ってしまう事は避けないといけません。最初に営業側が壁を作ってしまうと後から解きほぐすのは大変です。

❖使いどころはどこか?

 じゃ、どうしたら良いのか、という点です。別にきれいな解の公式とか無いですし、日々試行錯誤している訳ですが、現時点で頭の中にあるものを吐き出しておきます。

頭の中には下記のような象限があります。

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簡単に説明をしておきますと、

  • 縦軸が「販売方法」で直販と間接の比重
    これはブランド全体あるいは商品全体、パッケージ単位など企業によってことなります。例えば、スーパーで売っているジュースと自販機で売っているジュースは銘柄が同じでも販売に至る流通経路が違うので、プロットすると別の象限に入ります。
  • 横軸が販売にいたる過程で人的要素が関与する比重
    例えばECは究極の無人店舗ではありますが、そのインフラ維持や最近だとチャットサポート、或はオファーそのものを作るマーチャンダイジングなど、バックグラウンドで人員を要している場合もありますので、必ずしも「人的要素が少ない」方にプロットされるとは限りません。

 戦略のマトリクスでは、「取り得る手段が存在しない」或は「検討に値しない象限が出来てしまう ( = 四象限あるのに実質二択になってしまうようなもの)」は出来が悪いものなので、上記の切り方にそれ程自信はありませんが、今の段階で思いつくのはこの切り方です。

 各象限を選んだ場合に期待される成果物や戦略的な方向性を赤字で記載しています。この考え方をオムニチャネルの理論的な考察と掛け合わせていくことで、自社のマーケティングオートメーションの「組み込み方」が見えてきたらいいなぁ、と考えているところです。

 まだ論じるほどこの四象限で何かを検証した訳では無いですが、世の中に人的セールスが存在する以上、この分類は直感的には的を射ていると密かに自信もっていますので引き続き追いかけていこうかと。

 要は「本当に自動化するべきところはどこなのか」という視点をマーケティングオートメーション導入においては見定める事が大事で、欲張って、全プロセスをカバーするのか、Top of funnelの最適化に注力するのかは、上図の象限に照らし合わせると何となく示唆してくれるのではないかと。

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 蛇足ですが、最近は「デジタルトランスフォーメーション」が合言葉的になってきました。デジタルマーケティングを超えたスケールのある言い方ですが、ビジネスである以上、人でないと果たされない領域が存在するのが現実社会だと思っています。だからこそAI関連も盛り上がる。そのあたりを取り込んで再構築していく事が個々の企業にとっての課題で、この正解のない方程式を今の私の頭に浮かんだレベルで書き留めておくと以下のようになります。

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 なんか分子と分母の取り方とか超適当なので、あまりまじめに見てほしくないのですが、時代が「購買より消費」、いわゆる「モノからコト」へと変わっている中で、要素技術をどう組み合わせればいいのかな、と考えた時にこんな感じのイメージがぼんやりと浮かんでは消えている、というところです。

 「マーケティングとは需要と供給の質的一致である」という立ち位置を取っているので、「質的一致」にこうしたデジタル化をどのように取り込んで深化させるのが良い打ち手となるのかは実務を踏まえつつ引き続き模索していきたいので、上記の公式の意味合いとか含めてその3としてまた書きます。