なんの略語か想像つかなかったけど、「履修履歴面接」だそうで。
「リシュ面」とは、「履修履歴面接」の略。企業の採用選考において、学生に大学の成績証明書などの履修履歴の提出を求め、それを面接官と学生の双方が参照しながら、学業に対する考えや行動について質問・応答する面接のスタイルを指します。
狙いとしては、表向きの学業の良し悪しだけでは無く、一つずつの履修履歴に対して"Why"を繰り返して 、本人の資質を見ていく事を意図している面接手法らしいです。いいことだと思う。 「今までそういう視点は無かったのですか」という気もしますが。。。一応、背景としては、
従来のエントリーシートに沿った面接では、学生が問答を想定しやすく、本当の人物像や内面の深い部分にまで迫ることができません。企業が知ることができるのは、志望動機など学生本人がPRしたいことや、サークル活動、アルバイトなど本人が得意なこと、やりたくてやったことばかりでしょう。
という事らしいです。
私自身は就職氷河期*1 の入り口にある世代に属しており、当時はエントリーシートなんて洒落た響きのシステムも無く、大学の偏差値レベルでの区別も強かったと思うので、「個の力で突破する」のはハードルが今より高かったのではないかと思う。
学内での活動に積極的でなかった事もあり、OB訪問なども無く(そもそもOBがいるような所に関心が無かった) 、自分で選んだ4社くらいの説明から這い上がる正面作戦で望んだので、ある意味、「個の力」で挑んだ結果、一番行きたかったところは駄目でしたが、内定が2社から出た。とてもありがたいと思ったのを覚えているし、後年、第一希望の会社が倒れていくのを見たときに複雑な思いにもかられた。
話を戻すが、採用時に学業に対する姿勢を見ていくのは良い事だと思う。世界の大学生、大学院生の多くはそりゃ一生懸命勉強している、というのが肌感覚。そして、それが当たり前であるという社会的コンセンサスが日本と比べると諸外国の方がしっかりとあると思う。
会社にインターン生が来る事がありますが、みなさん優秀。同じ年の頃にタバコ吸いながら麻雀やっていた私が偉そうに助言している場合か、とか思ったりします。
「なんで行動経済学を専攻したのですか?」
「古典派経済学との違いはどういう所に感じられますか? 」
「学際的な行動経済学を学ぶにあたって、もっとも役立ったのはどの科目ですか? 」
というような感じで問いをバシバシぶつけるのだと勝手に想像していますが、だとすると、面接に係る人は以下の二点を肝に銘じておくことが必要かと。
- 模範回答みたいなテクニックは必ず産み出される訳で、イタチごっこになる危険
- 面接官の底が浅いと学生に舐められる
仕事で中途面接をしますが、応募者のCV(職務履歴 / Curriculum vitaeの略ね)を読み込みます。そこにその人の仕事観とか時代に適応するセンスとかが現れると思っているので、たかがA4数枚のCVでも、その人の生き方、処し方は如実に表れると思います。
就職する為に大学行ってる訳ではないですが、学んだ事、研究した何かしらがしっかりとあるのは後で必ず資産になると思うので、採用面接がこういう方向になるのは良い事だと思う。卒業後の進路が就職であれ、起業であれ、人生、いつでも学べるけれど、もっとも学業に没頭できる体力と時間がある大学(院)生活をしっかり満喫するべし、と我が娘には伝えたい。まだ先の話だけどね。