本日経験した事から少し考えた。
勤務先の役員秘書経由で、とあるインターネット広告会社の幹部の方から『誰か紹介して欲しい。』という依頼が来た。紹介するにも、用向きが分からないと人選も出来ないので、その旨返事をしたところ、『関係構築の為にWeb広告担当者を紹介してほしい。』という返事が来た。
その会社の事業規模や内容を考えると「ウチに知り合いがいない訳は無い。よしんばご本人に誰もツテが無かったとしても、先方の社内にはいるのになぁ。」というのが最初の印象。
用向きがボヤっとしているので、秘書さんに尋ねたところ 、その会社に出資している投資会社の役員さん経由で依頼が来ているとの事。
つまり、少なくとも「ご本人」→「投資会社社長」→「投資会社社長秘書」→「自社役員」→「自社役員秘書」という流れ。
このデジタル&ダイレクトの時代に何というレガシーな伝言ゲーム。
でもこういう遠まわりな方法で打診が来るという事は、「Web広告担当者」という低めのレイヤーと見せかけて実は深遠な話なのかもしれない、と忖度して執行役員ぐらいに応対させるべきかどうか迷っていたらば続報が来て先方のお名前が分かった。
むむむ!! 俺、Facebookでその人とつながってるじゃんかwww
で、現在の役職を確認したら執行役員では無かった。故に私が応対しても良いのだが、Facebookでうっすらつながっている私をスルーして、わざわざ投資会社の社長経由で来たという事は、はるかにレイヤーの高い事案なのだろう。或は単に私の存在感ないだけという事か。揺れ動く自尊心 (嘘です)のはざまで、カレンダーを見たら、二週間後にその会社の別の方 (かれこれ4-5年の関係)とのアポイントがあるのを発見。
これ幸いと、
- そこに同席してもらう
- もう少し具体的な用向きを私に連絡してもらう*
*「関係構築」は面談の目的であって用向きでは無い。
というオプションを提示 (もちろん伝言ゲームで) して、現在、反応を待っている。
この事で考えた点は二つ。
- 何故、Facebookでつながっているのにそこからツテをたどらなかったのか。
- 用向きが「広告担当紹介して欲しい」なのに、何故、遠回りをするのか。
1について
Facebookを確認したところ、この方、1600人以上の「お友達」がいらっしゃいました。フォロワーじゃないですよ。友達ね。
友達が何人いようが個人の自由ですが、SNSの本懐である「Network Service」を活かせてないのでは無いか、と思う。
本当の用向きが何かはまだ知りませんが、私では適格では無い話だとしても、「誰か紹介してくれますか」と聞く事も無く、一体、何の為に名刺の束をひっくり返すよりはサーチしやすいサービスを使っているのか、と。
ま、1600人も友達がいる方なので、わが社に勤務する友人が他にもいるだろうから、何人か当たってみたけど成果無しという事で別ルートにしたのであれば、単に私のプレゼンスがこの方の中で低かっただけ。
だとしたら、実に残念。いろんな意味で。
2について
「実は秘匿性が高い」 or 「とてもこみいった話(相談)」が真の訪問意図なのであれば、そこらの社員では逢っても目的にそぐわないので意味が無い、という事であれば、もう少し上手に伝言ゲームをした方が良い。仮に、『新しい広告商品の紹介』だとしても、
「Web広告をベースにした新規事業についてご提案方々ご意見を伺いたい」
とかにすれば、少しは印象も変わる。
結果的に「Web広告担当を紹介してください」という用向きは、ふつうの広告営業のアポイント依頼と変わらないし、お互い業界である程度の認知がある事を考慮すれば、第三者の役員経由で水を向けるような事でも無い。こちらからするとなんでそんなに遠回りして来るのか意味不明だし、社内に一声かければ済むでしょうに? という印象しか残らない。
このアポイントの真の意図、私がスルーされた理由は、近日中に明らかになると思うけど、改めて、ビジネスネットワークというのは名刺交換やSNSでのつながりだけでは成立しないよな、と再認識。
私は仕事で会った人とLinkedInでつながって、追々、個人的な関係が出来たらFacebookでも、というタイプ。ただ日本だとこれは成立しにくいのが経験則。名刺交換したらその日の内にFacebookリクエストとかザラ。
道具の使い方は人の自由なので、私もその時の感覚で処理している。
ただ、今回の件でもそうなんだが、結果的に大量の友達リストの中に誰がいるのか分からなくなってしまい、肝心な時に活かせないというのは本末転倒だよね。それがFacebookだろうがLinkedInだろうが。
新しい出会いの促進や関係強化にSNSは間違いなく役立つと思うけど、それも道具の使い方次第とい事を改めて肝に銘じた本日の一コマ。